macOSのFinderでリモートサーバに接続する
リモートサーバにファイルを転送したり,リモートサーバ内でファイルを移動したりリネームしたりするときには一般的にコマンドラインによる操作が多いですが,いつも使っているPC環境と同じように直感的に操作できれば楽なときもあります.
ファイル転送系プロトコルに対応したアプリケーションを使うのも良いですが,実は macOS に標準で入っている Finder はリモートサーバのファイラーとして利用可能です.
対応プロトコル
Finder で利用できるプロトコルとその概要は以下の通りです.
- AFP (Apple Filing Protocol): macOS server 向け
- CIFS (Common Internet File System): Windows ネットワーク向けの初期のプロトコル
- FTP (File Transfer Protocol): 一般的なファイル転送プロトコル(TCP 21番ポート)
- FTPS (File Transfer Protocol over SSL/TLS): 暗号化したより安全なファイル転送プロトコル(TCP 990番ポート)
- HTTP: TCP 80番ポート
- HTTPS: TCP 443番ポート
- NFS (Network File System): リモートサーバがローカルストレージをマウントするときのプロトコル(TCP 2049番ポート)
- SMB (Server Message Block): Windows OS のファイル共有プロトコル
- VNC (Virtual Network Computing): リモートデスクトップ
Finder でプロトコルを利用するためには,リモートサーバで該当プロトコルの機能をオンにしたりファイアウォールの設定を変更したりする必要があるので,すべてが直ちに利用できるわけではありません.
TCP でやり取りするときに該当するポートが開放されていれば使えるはずです.
残念ながら,SSH で暗号化されたチャネルを通じてファイル転送を行う SFTP (SSH File Transfer Protocol) はサポートされていません.
リモートサーバへの接続方法
以下の手順でリモートサーバに接続することができます.
- Finder を開いた状態で command + K を押す
- 一番上の欄にプロトコルとドメインを入力して connect を押す
- ゲストとして,或いは登録済みユーザ名とパスワードを入力してログイン
接続後,リモートサーバのディレクトリが表示されれば完了です.
その過程で選択したプロトコルが許可されていなかったり IP が遮断されたりした場合は,接続できないというエラーが出ます.
ちなみに,プロトコルとドメインは以下の例のように入力します(FTPS の場合).
(例)ftps://remote.example.com
また,プロトコルとドメインを入力した状態で + を押すと Favorite として登録できるので,頻繁に利用する場合は毎回入力する手間が省けます.
最後に
簡単な操作であれば Finder で操作でき,ローカルからリモートへの転送も D&D で済ませることができるので便利ですね.